唐辛子の漬けだれで煮込んだ牛肉をトルティーヤで包んでカリッと焼き、浸して食べるコンソメを添えるビリアタコスです。
このレシピについて
牛肉のビリア(birria de res)のタコスは、唐辛子とスパイスの漬けだれで煮込んでほぐした牛肉をトルティーヤで包んで焼き、浸して食べるためのコンソメ(煮込みのスープ)を添えるタコスです。近年はSNSをきっかけに、メキシコ料理のなかでも特に世界的な人気を集めている一品です。
歴史と由来
ビリア(birria)はメキシコを代表する料理のひとつで、その歴史はハリスコ州と切り離せません。いまではメキシコ全土、さらにアメリカをはじめ世界各地のメキシコ系コミュニティでも作られています。もともとハリスコのビリアはヤギ肉や羊肉で作られていました。赤い唐辛子、スパイス、酢の漬けだれに肉を漬け、マゲイの葉で包み、地中のかまどやふたをした鍋でじっくり火を通したのです。名前はかつて「価値のないもの」「質の悪いもの」を指す言葉だったという説もあります。そうだとすれば、庶民の料理とされたものが、メキシコでもっとも愛される料理のひとつになったのは皮肉なことです。 牛肉のビリアは、ヤギ肉が手に入らない人や、牛肉を好む人のためのアレンジとして生まれました。近年、牛肉のビリアタコスとコンソメの組み合わせ、特にトルティーヤを漬けだれにくぐらせてコマル(comal)で焼く「ティフアナ風」が、世界的なブームになりました。真っ赤なコンソメにタコスを浸して食べる動画がSNSで大きな話題となり、ロサンゼルスやニューヨークをはじめ、世界の都市に広がりました。 おいしいビリアの秘訣は漬けだれにあります。グアヒージョ(guajillo)唐辛子、アンチョ(ancho)唐辛子、パシージャ(pasilla)唐辛子に、クローブ、シナモン、クミン、オレガノなどのスパイスを合わせたもので、肉を漬け込むだけでなく、肉を煮るコンソメのベースにもなります。こうして肉は驚くほどやわらかくなり、複雑な風味がしみ込んで、簡単にほぐれます。漬けだれを塗ったトルティーヤで肉を包んでコマルで焼くと、あの特徴的な赤くカリッとした焼き目ができあがります。 手間と時間はかかりますが、その苦労に見合うだけのおいしさです。ハリスコ州では、ビリアは家族で過ごす日曜日や、結婚式、洗礼式など、大切なお祝いに欠かせない料理です。
栄養成分 1人分あたり
520
エネルギー
38g
たんぱく質
32g
炭水化物
28g
脂質
4g
食物繊維
820mg
ナトリウム
* 数値は目安です。使用する材料によって異なる場合があります。
作り方
- 1
漬けだれを作ります。グアヒージョ唐辛子4本、アンチョ唐辛子3本、パシージャ唐辛子2本を軽く炒り、へたと種を取ります。熱湯に20分浸して戻します。焼いたトマト2個、にんにく4かけ、シナモンスティック1本、クローブ4本、クミン小さじ1、オレガノ小さじ1、こしょう小さじ1/2、酢大さじ2、戻し汁240mlと一緒にミキサーにかけ、こします。

💡 漬けだれをしっかりこすことが、なめらかなコンソメに仕上げるポイントです。
- 2
牛肉1.5kg(すね肉、スペアリブ、肩ロースなど)に塩をふります。漬けだれを全体にからめ、冷蔵庫で2時間(できればひと晩)漬けます。

💡 漬ける時間が長いほど、味がよくしみ込みます。
- 3
大きな鍋に油大さじ2を熱します。漬けた牛肉を入れ、強火で全面に焼き色をつけます。水1.5L、玉ねぎ、にんにく、塩を加えます。ふたをして弱火で2時間半〜3時間、肉が完全にやわらかくなり、ほろほろと崩れるまで煮込みます(圧力鍋なら60〜70分)。

💡 残った煮汁のコンソメこそ、ビリアのいちばんの宝物です。
- 4
肉を取り出し、フォーク2本でほぐします。コンソメは温かいまま取っておきます。味見をして塩で調えます。コンソメはしっかりした味で、ピリッと辛いのが理想です。

- 5
タコスを作ります。コンソメの表面に浮いた赤い脂にコーントルティーヤをくぐらせます。熱したコマルに少量の油をひいてトルティーヤをのせ、ほぐした肉とオアハカチーズ(quesillo)をのせます。半分に折り、片面2〜3分ずつ、カリッとするまで焼きます。熱いコンソメを器に入れて添え、刻み玉ねぎ、パクチー、ライムと一緒に出します。

💡 浸して食べるコンソメこそ、世界中で話題になったビリアタコスの証です。
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Recetas Mexas 創設者
メキシコ・プエブラ出身のITエンジニアで食べることが大好き。世界中の台所で作れるよう工夫した本格メキシコ料理のレシピを1,250品以上執筆。2018年からマドリード在住。
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