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フミレス(jumiles)とは?タスコで生で食べる食用カメムシ

Edmond Bojalil

Edmond Bojalil · Recetas Mexas 創設者

更新日: 2026年9月3日

Mole de Jumil
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どんな料理?

フミレス(jumiles/カメムシの一種)は、カメムシ科(Pentatomidae)に属する数種の食用カメムシです。主な産地はメキシコ南部ゲレロ州タスコ(Taxco)のウイステコ山(cerro del Huixteco)と、隣接するモレロス州の一部。10月から2月ごろ、繁殖のためにオークの木に集まる時期に採取されます。 味はとても個性的です。身を守るための分泌腺に由来するハーブのような強い香りがあり、ヨード、シナモン、ミントを思わせると表現されます。 ゲレロ州の料理では、生きたままタコスにのせて食べるほか、唐辛子やトマトと一緒にモルカヘテ(molcajete)ですりつぶしてサルサにしたり、コマル(comal)で煎って使ったりします。メキシコ南部の伝統的な食生活では貴重なタンパク源であり、先スペイン期から続くタスコの食文化と儀礼の象徴でもあります。

起源と歴史

フミレスを食べる習慣は先スペイン期にさかのぼり、現在のゲレロ州に暮らすチョンタル(chontal)やナワ(nahua)の人々のあいだで受け継がれてきたことが、メキシコ生物多様性委員会(CONABIO)などの民族生物学的な記録で紹介されています。16世紀の修道士ベルナルディーノ・デ・サアグン(Bernardino de Sahagún)も、メキシコ高原で食べられていた昆虫について書き残しています。 20世紀には「フミレス祭り(Feria del Jumil)」が定着しました。毎年、死者の日(Día de Muertos)の後の月曜日にタスコで開かれる祭りです。死者の魂がフミレスの姿になって戻ってくる、という言い伝えもあります。 メキシコの料理事典や旅行誌によれば、採取は今も手作業で、地域の共同作業として行われています。その技は、近隣の村々の女性たちを中心に、世代から世代へと受け継がれてきました。

特徴的な材料

フミレスと呼ばれるのはカメムシ科の数種で、資料によって挙げられる種名は異なります。大きめで味の強いものと、小ぶりで香りの高いものがあるといわれます。独特の香りのもとは、身を守るために分泌する成分です。トランス-2-ヘキセナールなどのアルデヒド類が含まれ、柑橘のようなさわやかさとピリッとした刺激を生みます。 生きたまま食べるのが昔ながらの習慣で、そのほうが風味を強く感じられるとされます。コマルで水分がなくなるまで煎り、すりつぶしてサルサに使うこともあります。 定番のフミレスのサルサは、フミレスをセラーノ(serrano)唐辛子、焼いたトマティーヨ(tomatillo)、塩、ときにはにんにくと一緒にモルカヘテですりつぶして作ります。焼きたてのトルティーヤにのせ、サル・デ・グサーノ(sal de gusano/リュウゼツランにつく幼虫を使った塩)とライムを添えるタコスも定番です。 栄養面では、乾燥重量あたりのタンパク質が多く、鉄分やビタミンB群、必須アミノ酸も含むと報告されています。

文化的な意味

フミレスは、ゲレロ州の食のアイデンティティを象徴する食材です。2010年にはメキシコの伝統料理がユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、フミレスのような昆虫食も、その豊かな食文化を形づくる一部です。 タスコのフミレス祭りには多くの人が訪れます。ウイステコ山への巡礼、踊り、サルサのコンテストなどが行われ、ナワの儀礼とカトリックの祝祭が重なり合っています。 一方で、採りすぎや気候変動によって野生の個体数が減っているとされ、CONABIOやゲレロ州の環境当局によるモニタリングの取り組みも進められています。 近年は、現代メキシコ料理のシェフたちがフミレスを高級レストランのメニューに取り入れています。メキシコの食用昆虫を見直す動きを代表する食材として、国際的にも注目されています。

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よくある質問

フミレスはどんな味がしますか?
ハーブのような強い風味で、シナモン、ヨード、ミント、ユーカリを思わせると表現されます。胸部の分泌腺から出る防御成分によるものです。生ではピリッとして香りが強く、煎ると土っぽさが増して乾燥スパイスのような味わいになります。後味が長く残るため、ハーブ味のガムにたとえられることもあります。
フミレスは伝統的にどうやって食べますか?
焼きたてのトルティーヤに生のままのせ、塩とライムで食べるのが代表的です。コマルで煎ってから、セラーノ唐辛子やトマティーヨと一緒にモルカヘテですりつぶし、サルサにすることもあります。タスコ名物のフミレスのモレ(mole de jumil)にも使われ、ゲレロ州のフミレス祭りでは、丸ごと儀礼的なおつまみとして出されます。
フミレスとチニクイレスの違いは何ですか?
フミレスはゲレロ州のカメムシの成虫で、生のまま、または煎って食べます。一方、チニクイレス(chinicuiles)はリュウゼツラン(maguey)につく赤い幼虫で、イダルゴ州やトラスカラ州で食べられています。分類、色、生息地、調理法のすべてが異なり、チニクイレスは揚げてすりつぶし、サル・デ・グサーノにします。フミレスは主にサルサに使われます。
フミレスはどこが原産ですか?
ゲレロ州タスコ・デ・アラルコン(Taxco de Alarcón)のウイステコ山のほか、モレロス州やメキシコ州の山間部に生息しています。先スペイン期からチョンタルやナワの人々が採取してきたとされ、現在も伝統的な利用のしかたとCONABIOのプロジェクトによって守られています。
フミレスはどんな料理に使われますか?
名前のついた料理としては、タスコ名物のフミレスのモレがあります。ほかにも、煎ったフミレスをセラーノ唐辛子や焼いたトマティーヨと一緒にモルカヘテですりつぶしたサルサや、焼きたてのトルティーヤにのせてサル・デ・グサーノとライムを添えるタコスがあります。
フミレスはどこで手に入りますか?
タスコのウイステコ山や、モレロス州・メキシコ州の山間部にすむ野生の昆虫です。採取も手作業で地域ぐるみで行われるため、手に入るのは主に産地周辺に限られます。シーズンは10月から2月ごろで、繁殖のためにオークの木に集まる時期です。最も多く出回るのは、死者の日の後の月曜日にタスコで開かれるフミレス祭りのころです。
フミレスのサルサはどうやって作りますか?
フミレスをコマルで水分がなくなるまで煎り、セラーノ唐辛子、焼いたトマティーヨ、塩と一緒にモルカヘテですりつぶします。にんにくを加えることもあります。シナモン、ヨード、ミントを思わせる、ハーブのような強い風味のサルサに仕上がります。この香りは、トランス-2-ヘキセナールなど、虫が出す防御成分に由来します。

参考文献

Edmond Bojalil
Edmond Bojalil

Recetas Mexas 創設者

メキシコ・プエブラ出身のITエンジニアで食べることが大好き。世界中の台所で作れるよう工夫した本格メキシコ料理のレシピを1,250品以上執筆。2018年からマドリード在住。

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