マゲイにすむ赤い幼虫チニクイルを炒り、グアヒージョ唐辛子とすりつぶした、イダルゴとトラスカラの伝統サルサです。
このレシピについて
チニクイル(chinicuil)のサルサは、メキシコ中央高原でもっとも古くから伝わる料理のひとつです。イダルゴ州やトラスカラ州で、マゲイ(maguey/リュウゼツラン)の根元にすむ赤い幼虫チニクイル(テコル/tecolとも呼ばれます)をコマル(comal)で炒り、グアヒージョ(guajillo)唐辛子、にんにく、塩と一緒にすりつぶして作ります。この幼虫が、うまみと土の香りを感じさせる、ほかではなかなか味わえない深い風味をサルサに与えます。
歴史と由来
チニクイル(学名 Comadia redtenbacheri)は、プルケ(pulque)を造るマゲイの根元にすみつくガの幼虫です。イダルゴ、トラスカラ、プエブラ、メキシコ州では、その採集が古くから続いてきました。オトミ族やナワ族の人々は、先スペイン期から貴重な動物性たんぱく源としてチニクイルを食べてきたといわれます。名前はナワトル語の「チニクイリ(chinicuilli)」に由来するとされ、地域によってはテコルやテキチ(tequichi)とも呼ばれます。マゲイの根元にすんでいるため、成熟した株のまわりを手で掘って採るしかなく、季節も限られる、手に入りにくい食材です。コマルでカリカリになるまで炒ると自然な脂がにじみ出て、ナッツや湿った土を思わせる深い香りが立ちます。乾燥唐辛子やにんにくと一緒にすりつぶすと、粗い食感の力強いサルサになり、バルバコア(barbacoa)のタコスやトラユーダ(tlayuda)、トスターダ、メメラス(memelas)の調味料として使われます。メキシコ中央高原の食文化を代表する食材のひとつです。
栄養成分 1人分あたり
70
エネルギー
5g
たんぱく質
8g
炭水化物
3g
脂質
2g
食物繊維
200mg
ナトリウム
* 数値は目安です。使用する材料によって異なる場合があります。
作り方
- 1
チニクイルは乾いた布か料理用のはけで、土などの汚れを落とします。水で洗うと風味が落ち、湿ったままでは炒りにくくなるので、洗わないでください。

💡 生のものが手に入った場合は、炒る前に30分ほど天日で乾かしましょう。
- 2
コマルを中弱火で熱し、チニクイルを入れてヘラで絶えず動かしながら8〜10分炒ります。カリカリに乾いて香ばしい香りがしてきたら、取り出しておきます。

💡 完全に乾いてカリカリになるまで炒るのがポイントです。やわらかさが残ると、サルサが苦くなります。
- 3
同じコマルで、種とすじを取り除いたグアヒージョ唐辛子を片面1分ずつ、やわらかくなって色が変わるまで焼きます。熱湯に10分浸してもどします。

💡 唐辛子は焼きすぎないようにしましょう。焦げるとサルサが苦くなります。
- 4
モルカヘテ(molcajete)またはミキサーで、炒ったチニクイル、水気をきったグアヒージョ、焼いたにんにく、アルボル(chile de árbol)唐辛子(辛みを足したい場合)、塩をすりつぶします。もどし汁を大さじ3〜4加えて濃度を調整します。

💡 ミキサーよりモルカヘテのほうが食感よく仕上がります。粗めで素朴な仕上がりが理想です。
- 5
味見をして塩加減をととのえます。バルバコアのタコスやメメラス、トスターダに添えていただきます。冷蔵庫で5日ほど保存できます。

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Recetas Mexas 創設者
メキシコ・プエブラ出身のITエンジニアで食べることが大好き。世界中の台所で作れるよう工夫した本格メキシコ料理のレシピを1,250品以上執筆。2018年からマドリード在住。
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