牛のスアデロをラードでじっくり煮て、こんがりカリッと仕上げるタコス。メキシコシティのタケリアの定番です。
このレシピについて
カリカリに仕上げたスアデロのタコス(tacos de suadero dorados)は、牛のおなか周りの部位スアデロ(suadero)をラードでじっくり煮てから香ばしく焼き色をつけ、トルティーヤにのせてパクチーと玉ねぎを添えるタコスです。メキシコシティの屋台を代表する、定番中の定番です。
歴史と由来
スアデロのタコスは、メキシコシティの屋台タコス文化をもっとも純粋に表す一品といえるかもしれません。スアデロはメキシコ国外ではあまり知られていない牛の部位で、おなか周りの薄い部分にあたります。繊維質でゼラチン質に富み、結合組織が多いため、じっくり加熱すると驚くほどのおいしさに変わります。 伝統的な作り方では、熱したラードをたっぷり満たした大鍋に、スアデロをロンガニサ(longaniza)、トリパ(tripa)、クエリトス(cueritos/豚皮の酢漬け)など、ほかの部位といっしょに沈めます。肉は何時間も低温で煮込まれ、ラードの中でほかの部位のうまみを吸っていきます。提供する直前にタケロ(taquero/タコス職人)が火を強めて肉を一気に焼きつけ、外はカリッと、中はジューシーでとろりとした食感に仕上げます。 スアデロは、夜のタケリア(taquería/タコス屋)が増えるとともに、テピート(Tepito)、ラ・メルセー(La Merced)、ドクトレス(Doctores)といった地区で象徴的な存在になりました。真夜中から明け方まで開く屋台は、夜勤の労働者やミュージシャン、夜ふかしの人々が集まる場所となり、やがてメキシコシティのあらゆる人々に親しまれるようになりました。 今もスアデロのタコスは、メキシコの人々や旅行者がメキシコシティの市場やタケリアを訪れる大きな理由のひとつです。トルティーヤ、こんがり焼いた肉、パクチーと玉ねぎ、ライムとサルサ。そのシンプルさこそが魅力です。
栄養成分 1人分あたり
480
エネルギー
32g
たんぱく質
26g
炭水化物
28g
脂質
2g
食物繊維
560mg
ナトリウム
* 数値は目安です。使用する材料によって異なる場合があります。
作り方
- 1
牛のスアデロ600gを中くらいの大きさに切ります。塩、こしょう、つぶしたにんにく2かけで下味をつけます。

💡 表面の余分な脂を取り除いたスアデロを精肉店で用意してもらうと便利です。
- 2
大きめの鍋にラード200gを入れ、中弱火で溶かします。熱くなったら、スアデロ、半分に切った玉ねぎ1個、にんにく2かけを加えます。ごく弱火で60〜70分、肉が完全にやわらかくなるまで火を通します。

💡 大切なのはじっくり加熱すること。結合組織がほどけるまでには時間がかかります。
- 3
火を中強火に上げ、ときどき混ぜながら5〜8分、ラードの中でスアデロを均一に焼きつけます。こんがりと色づき、ところどころカリッとするまで焼きます。

💡 この工程こそが「カリカリのタコス」の決め手です。最後の焼きつけは省かないでください。
- 4
穴あきお玉で肉を取り出し、余分な脂をきります。まな板の上で、包丁で小さく刻みます。

- 5
トルティーヤをコマル(comal)で直接温めます。肉をのせ、刻んだパクチーとみじん切りの白玉ねぎをたっぷりのせます。サルサ・ベルデ(salsa verde)、サルサ・ロハ(salsa roja)、ライムを添えます。

💡 スアデロのタコスに、パクチーと白玉ねぎの組み合わせは欠かせません。
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Recetas Mexas 創設者
メキシコ・プエブラ出身のITエンジニアで食べることが大好き。世界中の台所で作れるよう工夫した本格メキシコ料理のレシピを1,250品以上執筆。2018年からマドリード在住。
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